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高尾山尺八本曲鑑賞会/奉納演奏 [高尾山・尺八本曲鑑賞会]

6月6日(土)高尾山薬王院客殿にて琴古流尺八本曲鑑賞会が開催されました。
2000年にスタートしたこの鑑賞会はめでたく10回目の節目を迎えることが出来ました。高尾山の中腹に位置するとはいえ、簡単なハイキングコースでもある参道を通って会場まで足を運んでいただいた多くのお客様に感謝申し上げます。
記念撮影.jpg

今回はその10回目の記念として薬王院本殿での尺八奉納演奏を企画してみました。奉納曲を「三谷菅垣」として、ご来場いただくお客様にも一緒に奉納をと呼びかけましたところ16名ものご応募をいただき準備にも一段と力が入りました。

リハーサル①.jpgリハーサル②.jpg

当日は12時半に先ず演奏会場の客殿にお集まりいただきリハーサルから始まりました。琴古流本曲ですので琴古流の方々が主に参加されましたが、都山流の楽譜も用意しましたので都山流の方も見え、さらに民謡尺八のほうでも是非奉納をということで参加をいただきました。また、2部合奏ということもあり、いきなり合奏は出来ませんので、事前に私の工房や三曲あさおの練習会で下合わせを重ねて準備をされてきた方もいらっしゃいました。会主橋本さんの丁寧な説明もありリハーサルに熱が入ります。
記念楽譜①.jpg

1時10分、いよいよ奉納会場の薬王院本殿に向かいます。朝からの曇り空に時折時雨れが冷たく降っておりましたが、ようやく空が明るくなってきました。本殿はすぐ隣にあるので移動は5分程で、奉納会場内に入ります。本殿前で参拝していた多くのハイキング客が私達2人の紋付袴姿や尺八を携えたおじさんの群れを怪訝そうな顔でジロジロ見ていました。本殿での尺八奉納は初めてだと薬王院の事務の方が言っていましたから、地方版ニュース記事くらいの価値はありそうです。誰も取材してませんが....。本殿の奥に不動尊が祀られその前に大きく四角に囲まれた護摩台が鎮座しています。毎日定時にここで護摩が焚かれ厄落とし、家内安全、子孫繁栄の祈りが捧げられているとのこと、奉納演奏の少し前に本日の1回目の護摩修行が終わったばかりでした。本殿内は少し暗かったのは予想外で楽譜が見づらい!これは合奏中に楽譜を見落とすかも.....。

本番①.jpg本番②.jpg本番③.jpg本番④.jpg

橋本さんの合図でいっせいに奉納曲「三谷菅垣」を吹き始めます。大勢で吹き出す尺八の音は結構広い本堂にこだまし、外の参道にまで達していたのではないでしょうか、本殿外の参拝客がしきりと中を覗き込みます。曲は後半に入ったあたりから少しスピードが増し、本手と替手がずれかかります。大きく体を振って皆さんをリードしていきます。最後の音を出し切り10分ほどで奉納は終了しました。外へ出ると雲が切れて太陽が顔を出し、一気に初夏の様相を呈してきました。皆さんの顔も奉納を成就し終わった安堵感と達成感(ちょっとオーバーかな?)で上気しておりました。よかったよかった!
奉納曲「三谷菅垣」の楽譜は高尾山奉納記念として装丁したものを配布。
その奉納の模様を撮影したDVDとスナップ写真データCDを奉納者全員にお渡しいたしました。
この企画は非常に好評につき来年度から高尾山に限らずいろいろな寺院で奉納する企画を立て、その奉納曲を講習会として練習するシリーズに発展させていく計画です。

奉納演奏の模様を動画でご覧下さい。

コンサート①.jpg
さて、本曲鑑賞会です。これからが我々の本番、気を引き締めて尺八を手に取り,先ずは橋本さんの独奏「厂音柱(ことじ)の曲」からスタートです。今回の演奏会では吹き合わせの原点を考えてみました。「吹き合わせ」とは本手に替手の編曲を施した重奏や、違う長さの尺八で同じ曲を吹く(原曲を移調して吹く)といった合奏のありかたを指し、江戸時代より現在まで多種多様の吹き合わせの曲が編み出されています。
プログラム2番「吾妻の曲」は8寸と2尺、プログラム3番、4番「目黒獅子」「三谷菅垣」は8寸同士で演奏した後、最後の曲「打替虚霊」で今回の新企画です。
違う長さの尺八で同じ曲を吹く曲を新たに我々で編曲し、どのようなサイズ同士の演奏が一番効果的かということを練習の過程で考証してみることにしました。1尺8寸、2尺、2尺3寸(A管)1尺3寸、1尺6寸等々組み合わせはたくさんあり、結局2尺3寸と1尺6寸の組み合わせで吹き合わせをし、曲中交互に掛け合いをしたり、独奏を入れたりと変化を持たせる工夫をしてみました。


また、本曲演奏はリズムが単調で、変化に乏しいため何曲も続けて聞くのは少し飽きてくる傾向にあります。今後本曲演奏を進化させていく狙いから、さらに尺八を入れて三重奏、四重奏としたり、自然の音(鳥の声,水の流れ)鐘の音など効果音を入れたりしてみるのもどうかなと思っています。
プログラムの最後にアンコールとして「一二三鉢返しの調べ」を1尺3寸と1尺8寸の吹き合わせで演奏し、効果音として鐘の音を入れてみました。まだ試験段階ですが来年の演奏会からいろいろと実験を重ねて行くつもりです。






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