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高尾山へのお誘い [高尾山・尺八本曲鑑賞会]

来週の土曜日6/6(土)に高尾山にて恒例の尺八本曲鑑賞会を10回目の記念大会として開催いたします。
            高.jpg高尾山奉納チラシ.cwk-(DR).jpg

思えば橋本さんに誘われて高尾山に登り本曲の演奏を毎年やることになったことで、ずいぶんとこの琴古流本曲を勉強出来ました。

本曲という呼び方からすると尺八を習得する本来の曲(目的)となるわけで、琴古流に伝わる36曲全てをマスターすることが必要ではあります。しかし先生に師事して初伝、中伝、奥伝とひたすら学ぶのが地唄箏曲と呼ばれる箏三味線の曲を尺八の譜面に直した曲ばかり。少しは本曲も同時に並行して習うのですが琴古流では本格的にレッスンに入るのは地唄箏曲の課題曲が全て終わってからになります。本曲に必要な当たりやメリ、折り、スリ、などの技法を地唄箏曲の練習を通して学ぶという事なのですが、肝心の尺八の演奏会ではひたすらその地唄箏曲を披露するばかりで本曲の演奏がなかなかありません。不思議なことではあります。

一つには地唄箏曲の尺八伴奏という仕事が尺八演奏家の収入源になっているからでしょう。本曲は本来独奏曲ですから本曲で収入を得るには演奏会を催して観客を動員する必要があります。しかし抽象的な虚無僧音楽である尺八本曲は聞いて楽しむという雰囲気ではありませんで鑑賞の仕方を知るか尺八を習わないととても聞いてはいられません。演奏の技量も並外れたものが要求されます。そういうわけで尺八本曲のみの演奏会は少なく、演奏家にとっても修練を積む機会が限られている実態があるようです。
天狗.jpg


邦楽の現代化は様々な曲を生み出し,それに伴って尺八はメロディー楽器として音程の正確さ、リズムや運指に高い技巧を求められるようになりました。7孔尺八もかなり浸透してきました。
楽器自体も製作術が格段に進歩し首振り三年は死語となりつつあります。
そんな中で本曲の持つ音楽表現は楽器の進歩に関係なく、現代曲に必要な技法とも関係なく、いかに尺八を使いこなすかというところ一点にあるのが魅力ではないでしょうか。
メリカリを極限まで使用し、同じ音高を様々な指使いで表現し、伸びのある音、破裂音、薄い音、かすれた音、ビブラートの有無、強弱......
これらを駆使して一人で表現する尺八の音色の魅力。
これらを習得するには練習よりも多くの演奏機会を持つことが必要だと今更ながら痛感します。

さて、今年の高尾山は皆さんで一緒に奉納演奏の企画も用意されております。
初夏の山を散策がてら尺八本曲はいかがでしょうか?
当日ふらりと来場されても100畳敷の会場はまだまだ余裕あります。
箏曲像.jpg


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