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仏前結婚式 [尺八雑談]

私の姉の子(甥っ子)が結婚をしました。
磐田市内にある曹洞宗の寺院を継いでいる若き住職です。
昨年伴侶に出逢い今年初めより結婚の準備を進めて来ていました。
住職の結婚ですので場所はやはり寺で行います。
いわゆる仏前結婚式ですね。

仏前①.jpg

ふだんあまりお目にかかれない形式を見て来たのでちょっとご紹介します。
梅雨時のしとしと降る雨の中会場のお寺に11時頃着きました。本堂へ行ってみると、そこは五色の幔幕に囲まれた艶やかな結婚儀式の場となっていました。本堂正面にはご本尊地蔵菩薩が安置され、祝儀を表す大きな「赤いロウソク」が点灯しています。さらに家紋の入った赤い垂れ幕が左右の柱に縛り付けられています。なんとも奇麗なものですね。参列者には結婚式次第が配られ儀式の進行が解説入りで書かれておりました。
仏前⑥.jpg

花嫁花婿と仲人が中央に着座し、鐘の合図で式師を務める僧侶の入場から始まりました。
◯献花三拝:式師に従い三度合掌礼拝。
仏前②.jpg

◯祝寿諷経:お祝いのお経として般若心経を読み始めました。
◯啓白文奉読:式師が両家の結婚の儀をみ仏に報告します。
◯酒水灌頂:式師が笹の葉で花嫁花婿の頭へ水を振りかけます。清めの儀式かな
仏前③.jpg

◯寿珠授与:指輪交換のようです。
仏前⑤.jpg

◯三帰礼文唱和:参列者全員で仏の道を歩むうえでの誓願を三つ唱えます。
「まさに願わくは衆生とともに大道(だいどう)を体解(たいげ)して無上意(むじょうい)を発(おこ)さん」
「まさに願わくは衆生とともに深く経蔵(きょうぞう)に入りて智慧海(ちえうみ)の如くならん」
「まさに願わくは衆生とともに大衆(だいしゅう)を統理(とうり)して一切無礙(いっさいむげ)ならん」
要するにみ仏を信じ教典を学び、何の妨げも無い自由な世界を得られるように心がけ、誓います。と唱えたのだそうだ。うーん難しい△?☆×!

◯盃事:三三九度ですね。両家の固めの盃もこの後に配られます。
仏前④.jpg
この後誓いの言葉をご両人が読み上げ、式師の退場で儀式は終わりました。
淡々と儀式が進行して、難しい言葉の羅列に閉口しますが、神前結婚式の雅やかな感じ、キリスト教式の華やかな感じと一線を画す仏事主導の感じは「静かな結婚式」でした。

お寺の子として生まれた私には本堂は毎日掃き清め、供物をささげた場所でした。
僧職である父が毎日祈りを捧げる場所として大事な場所でした。
本堂はあの世へ旅立った先祖への祈りの窓口として檀家さんが共有する聖地でもありました。
子供の時には遊び場だったこの場所は年齢を重ねるにつれ、広い空間として何でも受け入れてくれる落ち着く場所になりました。広い境内、天井の高い本堂、ここは何もない静かな空間なのです。何にも邪魔されない時間の止まった場所なのです。
人生の伴侶とともに出発する儀式にはふさわしい場所かもしれませんね。
仏前⑧.jpg

結婚式が終わって、お待ちかね披露宴です。
場所を浜松一高いビル「アクトシティー」にある宴会場に移動しました。
甥っ子は駒沢大学の仏教学部を出て、本山永平寺で修行した経歴からもわかるように、友人はみな僧侶、会社ではなく寺院関係の付き合いが全部ですので花婿側の出席者は僧侶ばかり、服装は黒の衣に袈裟という出で立ちですのでちょっと見るからには慶事か仏事かわからない披露宴ではありました。

お祝いの尺八演奏を頼まれましたので、本曲「虚空鈴慕」でも演奏すると出席者の雰囲気には合うのですが、そうはいきませんでこのような場所では誰でも分かる短い曲が良いのです。
「アメージング・グレース」をたっぷりと吹いてみました。
結婚式尺八.jpg

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